IROJITEN×nodeko

イラストレーターnodekoが、
色鉛筆「IROJITEN」を使った作品制作に挑戦!

ファッションスケッチで人気を集めるイラストレーターnodekoさんに、
今回「色辞典36色セレクトセット」を使い、新作のイラストを制作してもらいました。
今まで作品作りには利用してこなかった色鉛筆での着彩に
一から取り組んでもらった感想と作品を紹介します。

トンボの色鉛筆「IROJITEN」とは

1988年の発売より長く支持されてきた色辞典は、「色を楽しむ色鉛筆」として自然そのままの魅力を再現した色鉛筆シリーズです。柔らかみのある中間色を豊富に取り揃え、1色1色には自然界からもらった魅力的な色名を付けました。

トーン別に10色ごとに分かれた第1集〜第3集の計90色の中から、色鉛筆画をはじめたい人に最適な色を26色を厳選し、さらに新色を10色加えた36色セレクトセット。手に取るたびに心はずむブック型パッケージを開けば、きっと探していた色が見つかります。

nodeko プロフィール

学習院大学文学部哲学科卒。アパレル企業での勤務ののち、多摩美術大学グラフィックデザイン学科に編入。デザイン・イラストレーションを学ぶ。卒業後、デザイン事務所勤務を経てイラストレーターとしての活動をスタート。WEARやInstagramに掲載したファッションスケッチが若い女性を中心に人気を集め、Instagramのフォロワーは4万人を超える。

自然の色を再現した色鉛筆「IROJITEN」にチャレンジ

―今までは色鉛筆はあまり制作に使用してこなかったとのことですが、オファーがあった際どのような気持ちでしたか?

使い慣れた画材以外での制作ということで、最初はやはりプレッシャーがあり、正直「どうしよう!」という気持ちがありました。ただ、色鉛筆という新しい画材にチャレンジできる貴重な機会だと思って、挑戦することに決めました。

―普段はどのような画材を使っているのですか?

線画には2Bの鉛筆を使っています。紙はとくにこだわりがなく、普通のコピー紙ですね。線画を書いたあと、スキャンし、着彩はフォトショップで行なっています。水彩やクレパスなどの画材も好きなのですが、色を塗るときに迷ってしまうことが多いので、一発勝負のアナログ画材だと失敗が怖くて……。特に、お仕事だとクライアントから細かな修正依頼がくることもあるので、後から調整のきくデジタルの着彩を選ぶようになりました。

―色鉛筆という画材に対しては、どんなイメージがありましたか?

そうですね、「色が薄いんじゃないか」という先入観はありました。あとは、子供のときによく使っていた画材ということもあって、「子供っぽい絵になってしまいそう」というイメージがあったかもしれません。でも、実際にIROJITENを使わせていただいて、そのどちらも誤解だったなと思いました。

付属のミニ活用辞典を参考に、
色の濃淡をコントロール

―実際に使ってみて、印象が変わりましたか?

変わりました! まず色については、「重ね塗り」をすることでハッキリとした色が出せることが分かって、目から鱗でした。(笑)「IROJITEN」には、重ね塗り技法や、色の重ね方を付属のミニ活用辞典を見ながらトライして。1度塗りなら淡く、2度・3度塗り重ねるとくっきり、というように、実は色の濃さをとてもコントロールしやすい画材なのだということが分かりました。

作品が子供っぽくなってしまうかも……というのも杞憂でしたね。IROJITENは、セレクトされている色のニュアンスがとても素敵で、いわゆる赤・青・黄などの原色系のカラーから、若干トーンをずらした色が選抜されているんです。例えば少しくすみがかったピンク色の「子鹿色」とか、ほどよいカーキ感のある「仙人掌(さぼてん)」など、落ち着いた色味のものが入っているので洗練された印象があります。

自然からもらった36色。
ブック型パッケージもおしゃれ

―今回のIROJITENは自然の風景やモチーフを描きやすいような36色をセレクトしました。

確かに、自然物が描きやすいように緑系や、ブルー、ブラウン系の色味に幅が持たせてありますよね。それから、「蒲公英(たんぽぽ)」や「アネモネ」、「ライラック」など、花からインスピレーションを受けた色や、「烏賊の墨色(いかのすみいろ)」なんていう珍しい名前のものも入っていたり。色のネーミングに、すごく世界観があって、カラーチャートを見ているだけでワクワクしました。パッケージも、本のようなデザインでおしゃれですし、お部屋に置いておくだけでインスピレーションをかきたててくれる画材だなと。

―インスピレーションというと、日頃の作品についてはイメージやアイデアはどこから得ているんですか?

ファッションイラストについては、雑誌やWEBで情報を収集したり、あとはやはり街中で見かけたオシャレな方からアイディアを得ることが多いですね。日頃描いている作品は、結構ファッションのコーディネートそのものがコンテンツとして重要なので。
でも、今回のIROJITENでの作品では、色の持つ世界観からイメージをどんどん膨らませて「どんな女の子を描こうかな?」と考えていきました。服のアイテムというより、女の子の佇まいや空気感というところを重視したというか。具体的なアイテムやファッションの資料というよりも、色鉛筆の色のイメージやネーミングというところに、創作の出発点があったと思います。

今回制作した「蜜柑色」「アネモネ」の2作品。

  • 「蜜柑色」

  • 「アネモネ」

悩んだのは紙選び。
塗りがきれいに出るケント紙を使用

―制作にあたって、技術的に悩んだところなどはありますか?

悩んだところ……いっぱいあるんですが(笑)、まず色鉛筆に合っている紙を模索するところに時間がかかったかもしれません。画用紙や水彩用紙のように、凸凹をいかしてテクスチャを立たせた表現にするか、ケント紙やコピー紙のような平滑な紙に描くかというところで検証が必要でした。

―最終的にはどの紙で?

迷った結果、ケント紙に決めました。一般的に、色鉛筆画の作家さんはケント紙を使われることが多いそうなのですが、自分の画風に合うのだろうか?と、少し戸惑っていたんです。凸凹のある水彩用紙のほうが、ニュアンスが出しやすそうだなと思っていたので。ただ、実際に色々な紙に試し塗りして比較してみると、ケント紙が一番塗りがきれいに出ることが実感できました。優しく、ゆっくりと塗り重ねていったときに、イラストの佇まいが柔らかい雰囲気になったのも気に入りました。もちろん、ザラっとした画用紙に塗った時のラフな感じにも良さがあるので、作品によって使い分けるのもいいのかなと思います。

色の濃淡やグラデーションで、
動きを表現

―色を塗るときに意識した点などありますか?

イラストの「抜け感」や「動き」といった部分を、色鉛筆でどう出すか考えました。フォトショップで塗るときはブラシの濃淡やかすれなどで、雰囲気を出しやすいのですが、色鉛筆の場合は、筆跡の勢いを打ち出しすぎると雑に塗ったように見えてしまうので……。今回は、筆跡ではなく塗りの濃淡やグラデーションで動きを表現するという方向性にシフトしました。

同じ線画をPCで塗った場合の作例との比較

  • IROJITENで着色

  • PCで着色

例えば「蜜柑色」の作品では、髪の毛の部分に濃淡をつけることで、立体感や髪の流れを表現するようにしています。1度塗りと2度塗りする場所を分けて、グラデーションになるよう丁寧に重ねていきました。

まず影を塗り、上から色を重ねて
陰影や濃淡を出す

―なるほど、もう一作品の「アネモネ」についてはどうでしたか?

こちらは2作品目だったので、だいぶコツが掴めてきて、迷いなく塗って行けましたね。髪の毛は、混色をして陰影を出してみました。「小豆色(あずきいろ)」を影の部分にあらかじめ塗り、その上から「渋紙色(しぶかみいろ)」を重ねています。
「アネモネ」は、ブラウスの面積が大きいので、その部分の塗りを丁寧に仕上げることも注意しました。ここには、あえて混色はせず「釣鐘草(つりがねそう)」の1色しか使っていないのですが、やはり濃淡をつけることで、平坦にならないようにしています。

―色鉛筆での着彩は、PCで描くよりも時間がかかりましたか?

やはり多少は時間がかかりました。でも時間をかけて、ゆっくり塗っていく行程そのものが、楽しかったです。机に向かって塗っている間に、不思議と心が落ち着くというか、手元の一点を見ながら作業するので集中が高まる感じがありました。リラクゼーション効果もありそうだなと。
また、PCで塗った作品と見比べてみて、やはりアナログの作業にしか出せない魅力というものがあるなと再確認しました。かけた時間のぶん、深みが出るというか。PCでの着彩よりも、優しくて柔らかい空気感がぐっと出ると思いました。

これから色鉛筆にチャレンジする方にメッセージ

―今回は、nodekoさんの線画をダウンロードして塗り絵としても楽しんでもらえるようになっています。何かアドバイスはありますか?

まずは自由に、気楽に塗り絵として楽しんでいただければと思います。髪の毛や服の色で遊んで、私の作例とガラッと変えて違う色調にしていただいても面白いかもしれません。
それと、女の子は、肌の色で可愛さが引き立つので、チークやリップも意識してみてください。オレンジとピンクを混色したり、普通のピンクではなくちょっとくすみピンクにしてはずすなど、メイクをしてあげるような気持ちで塗ると楽しいかも。IROJITENだと「珊瑚色」や「子鹿色」のピンクがおすすめです。

全面に色を塗らずに、あえて白く残すことも大人っぽく仕上げるコツかもしれないですね。「塗り絵」って捉えると、余白なく塗りつぶさなきゃと思う方が多いかもしれないのですが、服や肌、背景など、塗らずに空きを残すことで大人っぽく仕上がり、かえってメインで見せたい色が引き立つと思います。 今回のイラストが、色鉛筆の魅力に触れていただけるきっかけになったらうれしいです!

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