トンボ鉛筆100年史 page 22/98

トンボ鉛筆100年史

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トンボ鉛筆100年史

Theme前史トンボの軌跡杉江家と小川家の絆ふたりの創始者と「蜻蛉」130年の起源トンボ鉛筆にはふたりの創始者がいる。鉛筆が珍しい舶来品として紹介されたころ、その製法を解明し、工業化を追求した小川作太郎と、質量ともに欧米に伍す鉛筆を完成させ、自社ブランドを確立した小川春之助。ふたりは父子だった。このため、トンボ鉛筆では、作太郎を創業者、春之助を創立者と呼んでいる。春之助が「小川春之助商店」を開業したのは1913(大正2)年のことで、これをもってトンボ鉛筆の創立とするならば、2013(平成25)年は100周年を迎える年となる。しかし、鉛筆は一朝一夕にしてつくれるものではなかった。春之助が創意に富んだ鉛筆を次々に発売できたのは、これをつくる土壌がすでにあったからにほかならない。それを培ってきたのが、1891(明治24)年から鉛筆づくり一筋に生きた作太郎であり、最初に「トンボ(蜻蛉)」印を鉛筆に刻印した、春之助にとっては叔父にあたる杉江鉦三郎(~1903)であった。せいれい鉦三郎は、1884年、鉛筆製造会社「蜻蛉社」を設立する。社名のトンボを図案化し、1896年に商標登録した。トンボと鉛筆を結んだ人物が鉦三郎であり、春之助がこれを眠りから覚まし、継承する。鉦三郎の実子、政明は「小川春之助商店」の創立時から春之助とともに歩み、トンボ印を鉛筆のハウスマークにすること、社名をトンボ鉛筆にすることを春之助に勧めた。また、昭和初期、「小川春之助商店」は、鉦三郎亡き後も細々とではあるが続いていた杉江工場をTOSHIMAFACTORYに招き、吸収している。これらを鑑みれば、トンボ鉛筆の起源は100年よりさらに遡ることがわかる。「蜻蛉社」の設立から起算すると、トンボ鉛筆は創業130年を数えるのである。鉛筆産業の黎明期ひと口に130年というが、そこには、明治時代という近代日本の夜明けにあって、鉛筆の製造と普及に夢を託した、小川作太郎、杉江鉦三郎らをはじめ、夢の実現と発展に努めてきた多くの先達の姿22